【質問】数学Ⅱ(図形と方程式):平行条件の場合分けについて

〔質問〕
2直線
・ax+by+c=0 ①
・a’x+b’y+c’=0 ②
がある。このとき「①と②が平行(または一致)となるときab’−a’b=0である」ことを示せという問題で、
 
① において、
b≠0 のとき y=-a/bx-c/b ①’
b=0 のとき x=-c/a ①”
 
② において
b’≠0 のとき y=-a’/b’x-c’/b’②’
b=0 のとき x=-c’/a’ ②”
 
(i) b≠0 かつ b’≠0 の場合
①’の傾きと②’の傾きが等しければよいから-a/b=-a’/b’
a/b=a’/b’
ab’=a’b
ab’-a’b=0 ③
 
(ii) (i)以外の場合
① ②ともにy軸に平行になればよいから①は①” ②は②”の形となればよい
つまり b=0 かつ b’=0 ④が条件
このとき④は条件③に含まれている
以上(i) (ii) より①と②が平行(または一致)となる条件はab’-a’b=0となる
 
(ii) (i)以外の場合
「① ②ともにy軸と平行になればよいから①は①” ②は②”の形となればよい」の部分がわかりません。
(i)以外の場合ということは、b=0 かつ b’=0 の場合もあるというとだから、なぜ ① ② ともにy軸と平行になるかわかりません
〔回答〕
まず、冒頭に、
直線というのは、図形的なイメージを持ちやすくするために、y=mx+n という書き方をするのがふつうですよね?
こうしておけば、傾きが m、切片が n というようにわかりやすくなります。
 
ただし、こう書く場合の唯一の欠点が、縦線(y軸と平行な直線)を表現できないことです。
ですので、その場合は x=● というような書き方をする必要があるわけです。
 
このことを解決する方法が、ax+by+c=0 という形式で記述することです。
こうすれば、(b=0 とすれば)縦線も含めて表現することができるわけです。
(ただし、今度は、図形的なイメージ(傾き・切片)がわかりにくくなります)
 
 
こうした事情を踏まえて、今回の問題に関しては、ax+by+c=0 についての平行条件ですが、
「平行」と言われたとき、いわゆる「傾きが等しい」というケース(y=mx+nの発想)を想像しますが、
実際にはこれでは「縦線同士の平行」が考慮されていないわけです。
ですので、今回の答案としては、(i) 斜めの直線としての平行 と (ii) 縦線としての平行 を別々で考えている、ということです。
 
そして、それぞれで別々に考えた結果、ある意味たまたま ab’-a’b=0 という式に一本化できるので、(i) (ii) をひっくるめてこの公式を使うことができる、ということです。

 

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